元太郎は日本・中国・ヨーロッパ等を題材に歴史イラストを描いています。地域名ボタンからご覧ください。日本の城と歴史は特に作品数が多いので、県別に分類しました。地域を限定しないイラストは「その他」に掲載しています。

沖縄

お城のイラストができるまでを2008年に描いた富山県松倉城を例にご紹介します。

戦国の城のイラストは地図がなければ描けません。このイラストでは遠景も見せたので、縮尺の違う地図をいくつも使うことになりました。見る方向に合わせてメッシュ(碁盤目)を書き入れます。

地図の中でも一番大事な松倉城の縄張り図。「縄張り図」は専門の研究家が現地調査から作図するもの。赤い書き込みは、元太郎が各部分の標高を推定して補足したものです。

メッシュを斜めから見下ろしたパースを描き、その上に下絵用の紙を重ねて、パースの線を透かします。地図上のメッシュと見比べながら、等高線を乗せていきます。

描く部分の標高が変わるたびに、下に敷いたパースの紙を上下に移動させて描けば、立体的に見た形が起こせます。標高が大きく変わるとパースの形も変わりますので、パースの紙も何枚か用意して使い分けます。

パースの紙も地図も数枚使い分けながらの、かなり複雑な作業の末、地形が立体化できてきました。ミリペンで清書します。

地形起こしが終わりました。(ちなみに鳥瞰図を描くとき、航空写真はほとんど使いません。ちょうどいい角度と距離からの写真が見つかることはまずないからです。グーグルアースも立体の正確さでは参考になりません。)

地形起こしの後は、建物などを入れて下絵が完成。

下絵をメールで送り、編集部や監修者(多くの場合、縄張り図の製作者)に見ていただきます。

数日後、チェック済み画像が送られてきました。

本画の制作に入ります。

本画の紙は、BBケントにジェッソで地塗りをしたもの。イラストのベースになる地面の色をエアブラシで吹き付けました。

下絵を本画の大きさに合わせて拡大コピーし、本画の下に置いて、ライトテーブルで透かせながら作業をします。

遠景の海を塗るためのマスキング作業。マスキングテープのほかに、乾くとゴム状になるマスキング液も使います。

エアブラシで海の色を吹き付けた後、マスキングを剥がしています。

透かせた下絵をもとに線画を描いていきます。使うのは0,3ミリのシャーペン。画面に汗などがつかないように、指先が出る手袋をして描きます。

線画が終わりました。シャーペンの線がこすれて消えたり汚れたりしないように、薄めたアクリルメディウムを吹き付けて定着させます。

着色はアクリルガッシュという絵の具。イラストレーターになった時からこれを使い続けています。

元太郎は日本画出身なので、筆もほとんどは日本画用の筆を使っています。遠近による色の変化も表現しながら着色していきます。

基本の着色が完成しました。これだけでも復元イラストとして成り立ちます。

このイラストでは、上杉方と織田方の戦闘場面を想定していたので、点のような兵士の姿や、それぞれの旗印なども描きこみました。

もう一度全体感を整えたり、描き漏らしがないか確認した後、周囲のマスキングテープを剥がします。

やっと原画が完成しました!

スキャナーで読み込んで画像データにします。

画像をメール送り、監修者の最終チェックを受けます。そこで修正指示がくることもよくありますが、このイラストはそのままOKに。

原画が傷つくことのないよう、しっかり梱包してお送りします。

完成図

松倉城(戦国時代)/富山県

当サイトはリンクフリーですが相互リンクはお断りしております。

Copyright (c) Gentaro Kagawa All Righrs Reserved.

このサイトのすべての画像・文章の無断転載・複製・改竄を禁じます。

 管理人 さちたろう

中学歴史教科書

学研「歴史群像 デジタル歴史館」

日本城郭史学会

(元太郎が所属する城研究会)

香川元太郎Twitter