香川元太郎GALLERY-コラム

絵本館

歴史館

管理人日記

プロフィール

コラム

MAIL

元太郎は依頼されて文章を書くこともあります。(あまり得意ではないようですが・・・)

コラムのページでは、今までに書いた文章をご紹介します。

まずは、雑誌,などのために書いた文章を編集したものです。

松山・迷路と城の街 (松山の雑誌のために執筆)

 

少年時代の僕にとって、街は迷路でした。

住んでいたのは、石手川の南側、松山の中でも戦災で焼け残った地域です。車も入れない細い路地や、人ひとりしか通れない通路がたくさんありました。通りなれた道を離れて、そんな路地に入ってみるのは、子供にとってはちょっとした冒険。行き止まりになることもありましたが、別の通りに抜けられると、「よっしゃ!」と小躍りしていました。

中でもよく憶えているのは、近所にあったレンガ塀の工場です。となりの家とのすき間が通路になっていたのですが、そこは一見行き止まりにしか見えません。でも、実は奥でクランクになってどんどん続き、思わぬところに出られるのです。友達との遊びでも活躍する「秘密の通路」でした。そんな体験のせいか僕は迷路好きで、自分でもよく積み木などで迷路を作っていました。

迷路好きの子供は、中学生になると城好きになりました。きっかけは「城には敵をあざむくための工夫が満載で、迷路のようになっている城もある」という話。改めてそういう目で見れば、わが郷里の松山城も、敵をあざむく「隠れ門」があったり、天守に至る通路がくねくねと複雑に折れ曲がっていたり、なかなか迷路的ではありませんか。松山は、迷路に続いて城への興味もかき立ててくれたのです。

城好きの少年はその後、城から日本文化へ興味が広がり、東京の美大で日本画を学びました。しかし絵描きでは収入が得られません。そんなとき、城に詳しかったおかげで道が開けました。城を中心に、歴史上の題材を復元考証して描くイラストレーターとして独立できたのです。そして40代半ばになってから、「何かもうひとつオリジナルの仕事をしたい。まだできることがあるはず」と考えて始めたのが「迷路絵本」でした。

僕は人生の迷路で「城」に助けられ、紆余曲折の末「迷路」に戻ってきたというわけです。僕を育んでくれた迷路と城の街、松山に感謝!

絵本作家の仕事について(インタビュー)

 

現在の仕事について

① 迷路絵本シリーズを作るきっかけは?

 

息子が5、6歳の頃だったでしょうか。とても迷路が好きで、迷路の本なども買ってあげたのですが、そのうち「お父さん迷路描いて」と言い出したんです。実は僕も子供の頃から迷路が好きでしたし、イラストレーターですから、イラスト入りで迷路を描いたら息子は大喜び。つい、何枚も描くはめになったのですが、こちらもだんだん凝りだして、最初はサインペンだったのが、とうとう絵の具などの仕事道具を持ち出して、ちょっとリアルタッチでイラスト迷路を描いてしまったんです。おかげで時間もかかりましたが、息子のハマりようは大変なもので、毎日その絵を持ち出して迷路をたどっていました。そこで、「迷路遊びは不滅の魅力がある!いつか迷路の絵本を作ろう」とアイディアを温め始めたんです。実際に絵本になったのは、それから10年くらい経ってからでした。

 

② 少年時代から迷路好きとのことだが、迷路のどこに魅力を感じていたか?

 

僕が住んでいた街は、戦災で焼け残った古い下町で、車も入れない路地や、人ひとりしか通れない家のすき間が複雑に入り組んで、まさに迷路のような所がありました。行き止まりの袋小路もありましたが、どう見ても行き止まりに見える家のすき間が、実はクランクになっていて通り抜けられたりするんです。そんなところを見つけて、思いがけない場所に出たりするのは、ドキドキする冒険でしたね。だから自分で迷路を作るの時も、その中に自分が入って冒険した気持ちになれるような立体感のある迷路にしたいと思っています。

 

③  絵本作家になってよかった、と感じるのはどんなときか?

 

いちばん嬉しいのは、読者が楽しんでくれている様子に触れたり、本を見ながら読者といっしょに楽しめた時ですね。絵本の場合、読者は子どもが多いですし、ハマる子は本当に夢中になって何度も見てくれます。これは大人向けの絵ではなかなか得られない満足感ですね。

もちろん絵本のための絵を描くのも楽しいですよ。「こんなところにも顔を隠してやろう」とか、ちょっとしたいたずらを考えるような感じで、ひとりでニヤリとしていますね。

 

④ 今後はどのような作品を目指しているか?

 

いつも楽しい本を作りたいと思っています。僕はパズルや迷路が好きですから、それをキーにして様々な形に発展させたいですね。新しいことを知ることだって、本来は楽しいことですし。

もちろん迷路絵本も、これから取り組みたいテーマがいくつもありますし、それ以外に、想像の迷路の国やパズルの国を描いた本もぜひ作りたいと思っています。

 

絵本作家になった理由

 

① 小さいころになりたかった職業は? どのような子どもだったか?

 

マンガを読んだり本を読んだりするのが好きだったので、漫画家や小説家になりたいと思ったこともありましたが、あまり将来のことは考えていませんでした。

小さい頃は、そのとき何をして遊ぶか、楽しむかということがいちばん大事でした。友達と遊ぶこともありましたが、積み木で立体迷路を作ったり、紙工作を作ったり、いろんなことを想像しながら何かを作るのが好きでしたね。

 

② 絵本作家を目指すようになったのは、いつごろか?

 

最初から絵本作家を目指していたわけではありません。高校生の頃に画家を目指すようになり、大学で絵を学んで、卒業後、ちょっとしたことから歴史考証イラストが仕事になりました。その後で、子供のために迷路イラストを描いてから、これを絵本にしようと思いついたのがきっかけです。

 

③ 子どものころに経験したことで、現在の仕事に役立っていることは何か?

 

子供の頃に好きだったことや得意だったことは、ほぼ全部今の仕事に役立っています。迷路はもちろんですが、それぞれの迷路絵本でテーマにしている「歴史」「伝説」「生き物」なども、自分が子供時代に好きで、ちょっと詳しかったものばかりです。そういうものはこの歳になっても憶えているので、クイズなどのアイディアも思いつきやすいですね。

 

④ これから絵本作家を目指す子どもたちへ

 

絵が好きな人が向いていると思いますが、いろんなことで遊んだり、体験したり、絵のほかにも好きなことや得意なことがあるといいでしょう。例えばお話が好きな人はお話の絵本、虫に詳しい人は虫の絵本が作れるかもしれません。僕のように、小さいときの遊びがもとになって、新しい絵本のアイディアが思いつくこともあるかもしれませんよ。

 

先頭に戻る

香川元太郎Twitter

このサイトのすべての画像・文章の無断転載・複製・改竄を禁じます。

当サイトはリンクフリーですが相互リンクはお断りしております。

Copyright (c) Gentaro Kagawa All Righrs Reserved.

 管理人 さちたろう